波崎建設

地方企業の愛され方とは?
採用・企業・インナーのブランディングを1つに。

若者がいない。
電車がない。
地方採用のカベ。
背景

学生の絶対数が少ない地方。なかでも、交通が不便であったり、市街地から離れた場所にある企業様は、採用に苦戦するケースが多いとうかがいます。今回ご紹介する波崎建設様も、まさにそんなお悩みをお持ちでした。
波崎建設様が本社を構える茨城県神栖市は、鹿島灘に面したのどかな地域です。「日本一早く初日の出が見られる町」としても知られ、海岸に沿って大きな風車が立ち並ぶ姿も素敵な港町。しかしながら、市内に大学はないので学生が少なく、最寄駅から本社まで徒歩で1時間かかるなど、地方ならではの課題も抱えていました。

こうした状況のなかでマイナビを使って新卒採用を初めてみると、予想以上に広く全国からエントリーを集めることができました。しかし、そのエントリーが説明会や選考につながらなかったのです。マイナビクリエイティブチームは、「マイナビで波崎建設を知った学生に興味を持ってもらうことはできたが、実際に就職先として考えてもらうまでの魅力づけができていない」と仮説を立て、採用コミュニケーション課題の解決に乗り出しました。

コーポレートサイトで
「地域」と「社員」
の魅力をアピール。
ソリューション

マイナビで波崎建設を知った学生が次に取る行動といえば、Webで検索してコンテンツを見ることです。つまり、そのコンテンツで波崎建設の魅力を十分に訴求できれば状況は改善するはず。マイナビチームは波崎建設様と相談を重ね、「波崎建設の魅力とは何か、学生に何を伝えたいか」「学生が不安に感じていることは何か、どう払拭するか」を整理していきました。その結果、Webで最初に触れるコンテンツであるコーポレートサイトがもっとも重要な改善ポイントと考え、リニューアルすることになりました。

ちなみに、マイナビは人材採用を支援する会社なので「採用サイトを作りたい」といったご相談をいただくことも多いのですが、何を作るかはあくまでも手段です。企業様の採用を成功させるという目的は同じでも、そこまでの道のり・方法はさまざまであり、採用ツール以外にもふさわしい手段があれば積極的にお手伝いさせていただいています。

今回制作したコーポレートサイトのトップページ

 

今回の波崎建設様のケースで学生の不安要素として仮定したのは「知らない土地で働く怖さ」。県外からエントリーした学生は、波崎建設がある神栖市をまったく知らない人が大多数という現実を踏まえて、波崎建設の魅力と同時に神栖市というエリアの魅力を伝えることをテーマとしました。

また、コーポレートサイトは学生だけでなくお客様や取引先、社員とその家族など、さまざまな立場の方に見てもらうものです。今回のリニューアルにあたっては、採用という観点だけでなく、あらゆるステークホルダーへの効果も考えました。そこでもう一つのテーマに据えたの「かっこいい父ちゃんの仕事姿」。「せっかくなら働く従業員をカッコよく見せたい」という社長の言葉から着想を得ました。

 

言葉以上に波崎を語る
動画コンテンツを。
実際の取り組み

地域の魅力を効率的にアピールするコンテンツとして、動画をコーポレートサイトのトップに配置することに。町のシンボルと言える「波崎港」「祭り」「朝日」の映像を通じて土地の魅力を伝え、県外の学生がここで働くことに安心してもらうこと、そして楽しみにしてもらうことを目指しました。限られた予算と期間内で動画を新たに撮影するのは厳しい面もあったため、マイナビのディレクターが地元の映像制作会社にかけあって過去に撮影した動画素材を提供してもらうことで実現できました。ディレクター自身が、すでにこの町のファンになっていたからこそ、よりよい見せ方を追い求めました。

 

コーポレートサイトのトップページの動画。波崎港 と 朝日

そのほかのコンテンツ制作の過程ではマイナビチームが市内の工事現場を巡り、働く社員たちの自然な姿を撮影していきました。通常は撮影する人やシーンを事前に決めて撮影を行いますが、今回はリアルなかっこよさを追求するためにあえてゲリラ的に撮影し、多くの社員の方に登場していただいたこともポイントです。

 

市内の全現場を回って行なった撮影。生の姿を捉えることができた

また、コーポレートサイトの刷新に合わせて会社ロゴマークも新たに制作。海の町を力強く支える波崎建設をイメージしたロゴは、サイトのアクセントとしても存在感を放っています。

新たに制作した会社ロゴマーク

 

採用はもちろん、
全方位との
コミュニケーションに貢献。
得られた成果

こうしてコーポレートサイトをリニューアルした結果、学生の説明会予約は前年比250%を達成。説明会のために遠方から足を運んでくれる熱心な学生との接触にも成功しました。課題であった「マイナビで発見した先の魅力づけ」をうまく果たし、コーポレートサイトを見ることでエントリー、または採用フェーズに進む学生を増やすことができました。波崎建設様の採用が叶えば地域に住まう若者が増えて社会貢献にもつながることを思うと、マイナビチームも誇らしく思えるお仕事をさせていただきました。

さらに、社員の皆さんやそのご家族からも好評という嬉しいお話をきくこともできました。社員の子供たちから「うちのお父さん、かっこいい!」という声があがっているそうです。当初掲げた裏テーマである「かっこいい父ちゃんの仕事姿」まで伝えることができました。
地方採用ならではの課題と向き合い、最大限のクオリティを達成するべく波崎建設様とマイナビチームが手を取り合った今回の事例では、結果として関わる人々みなさんに喜んでもらえるソリューションを実現できました。

働く姿をリアルに、カッコよく映し出すことにこだわったサイトは、
あらゆるステークホルダーに仕事の魅力を伝えられるものとなったようだ

CLIENT
株式会社波崎建設

1915年創業。鹿行地域と呼ばれる茨城県南部に密着し、道路や工事、上下水道などインフラ工事を数多く手掛けてきた老舗土木会社。特に築堤工事の高い技術力で信頼を寄せられている。ここ数年で新卒採用に積極的に取り組みはじめ、インターンシップの開催にもチャレンジしている。

Director's Comment

今回の制作では多方向のブランディングを意識していました。まずは採用ターゲットである学生に向けて。それから、顧客やパートナーといった関係者に向けて。さらに、社員様とそのご家族に向けたインナーブランディングの役割も重要でした。ご提案にあたっては、それ以前にマイナビにご出稿いただいていたことと、それに伴う取材を経験させていただいたことがヒントになりました。あらかじめ波崎建設様について知ることができていたので、初めから具体的なご提案を差し上げられてスムーズな制作が叶ったのかもしれません。結果として採用面でも社員の皆さんのモチベーションの面でも成果を上げることができて嬉しく思っています。

Directed by


担当ディレクター
伊賀利 拓也
就職活動に悔いが残った自らの経験をもとに、学生と企業のマッチングを叶えたいと2018年に入社。企業の立地や住民の傾向を生かすなど、地域に根ざした提案を得意とする。求める人材像がはっきりしない、打ち出すポイントが分からないといったクライアントの悩みに寄り添い、訴求ポイントを丁寧に紐解く姿勢が評価される。モットーは「どんな会社にも愛すべきポイントがある」。