広告の力で、
看護職採用のあたりまえを
変える。
背景
看護業界の採用は長らく売り手市場。そんななか近畿大学病院・近畿大学奈良病院 看護部様は、注目度も高く応募数こそ集まる反面、インターンシップから選考への参加率や、選考中の歩留まりに関しては課題感を持たれていました。その背景にあったのは、近畿大学病院・近畿大学奈良病院 看護部様ならではの魅力を広報ではあまり打ち出せていなかったこと。数年後に移転を控えている状況で、現在の立地や建て替え前の施設の面だけで比較されてしまうと条件面において不利に映ってしまう。一方で、給与や休暇などの待遇面では他病院に負けていませんでした。何よりも高度医療に携われる環境は、今後看護師として活躍するという意味では秀でた環境だという事実がありました。そこで近畿大学病院・近畿大学奈良病院 看護部様の魅力を明確に伝え、学生に「だからわたしは近大病院に行く!」と強く感じてもらえるように、広告の力を使った採用ブランディングに取り組んだのです。さらには、採用サイトリニューアルを通して対外的に魅力をアピールすることで、院内で働く職員のモチベーションを高め、自然と長く働き続けたい環境をつくるというインナーブランディングにも寄与させるねらいもありました。
芯の強さを掲げた、
青い旗。
ソリューション
今回のために制作したコンセプトムービー
看護職採用は従来、女性向けにリボンやお花といったモチーフのやさしく温かみのある広報か、医療業界らしい「患者さまのために」という想いを発信する広報が多く、近畿大学病院・近畿大学奈良病院 看護部様も例外ではなく同様の表現方法を用いていらっしゃいました。そのため、差別化が難しく「らしさ」が訴求されないことで、わかりやすい「交通の便」「施設の新しさ」などで他病院を選ばれてしまう。この状況を打破するため、今回はコンセプトから他病院との差別化を検討されたのです。それを象徴するキービジュアルは、旗を手にした看護師。「人間として自分らしく生きていく」象徴の旗を力強く掲げ、まっすぐ自身の未来を見つめる、力強いまなざし。「看護学生、ひいては看護師の個を大切にする」ことを採用スローガンとして表現。それが遠からず「患者さまのために」なる。院内の看護師も、これから入職する学生も、自分を大切にしながら歩んでいくという力強いメッセージを発信しました。この思いをわかりやすく伝えるために、コンセプトムービーも制作。他病院との区別化・差別化を図り、看護学生たちの「共感」と「入職意思の醸成」の達成を目指しました。
近畿大学病院とマイナビ、
ワンチームで挑む。
実際の取り組み
とはいえ、これまでと大きく異なる打ち出しに、看護部様から「旗の主張が強すぎるのでは?」といったご意見をいただく場面もありました。そのような時は、説明会や選考プログラムをはじめとした一連の採用活動を通してキービジュアルの担う役割、そして得られる効果を一つひとつ近畿大学病院・近畿大学奈良病院 看護部様とマイナビで確認をしていきました。そして、今回のリニューアルでめざすブランディングを達成するには必要不可欠なキービジュアルであることを再確認。旗の起用に踏み切っていただけることになりました。リーフレットやバナーなど、一連のコンテンツ設計も実現。近畿大学病院・近畿大学奈良病院様の看護師が目指すべき姿や院内全体のモチベーションを上げるような面白い取り組みを一緒に考えることもありました。最終的には近畿大学病院・近畿大学奈良病院 看護部様、マイナビ、そして近畿大学 医学部様・病院運営本部 人事グループ職員課 採用担当者様を含めたワンチームで採用活動に挑むことができました。
BtoB広告賞、
金賞受賞。
「働きたい理由」ができる。
得られた成果
こうした大幅な採用広報刷新により、エントリーからの進捗は改善。また院内での評判も良好で、近畿大学病院・近畿大学奈良病院 看護部様で働く看護師のモチベーションも向上し、インナーブランディングにも寄与できました。ビジュアルの旗は、近畿大学病院・近畿大学奈良病院 看護部様が目指すべき看護師像の旗印にもなったのです。 そして、一般社団法人 日本BtoB広告協会が主催する「2020日本BtoB広告賞」金賞の受賞という嬉しい報告もありました。こうした挑戦ができたのは、近畿大学病院・近畿大学奈良病院様で働く人々のなかに「面白いことを関西で最初にやるなら、わたしたちだ」と思える風土があったからこそ。今回の採用ブランディングは、その文化をカタチにすることができたのかもしれません。
1975年、近畿大学病院設立。南大阪で唯一の大学病院として、地域医療の中核を担っている。1999年、近畿大学奈良病院設立。母体の近畿大学は、西日本最大級の学生数を誇り、2002年6月にはマグロの完全養殖に成功。特色のある大学広報でも知られている。
今回の制作では、採用全体のコミュニケーションを一貫してマイナビに任せていただくことができました。だからこそ大切にしていたのは、採用で効果を発揮する表現をつくれるかということ。表現の良し悪しではなく、採用全体を俯瞰して表現にいかに落とし込むかを意識しました。チーム近大の制作ディレクターとして、次に母体である近畿大学様と学生広報面でも関係性が生まれたこともうれしかったですね。これからも、採用全体を任せるならマイナビだと言っていただけるよう、取り組んでいきたいと思います。(近畿大学病院・近畿大学奈良病院 看護部様 担当ディレクター ※当時)