熊本県庁

戦略的なオンライン広告活用。
地方ならではのソリューションを。

奨学金利用率37.5パーセント
という事実に、向き合う制度。
背景

日本学生支援機構によると、全国の学生の奨学金利用率は37.5パーセント。日本の大学生のおよそ2.7人に1人が奨学金制度を利用していると言われている昨今、就職後の奨学金返済は、新卒者たちの大きな課題です。そんな中で熊本県庁様は、「ふるさとくまもと創造人材奨学金返還等サポート制度」という地元企業へ就職した学生の奨学金返還をサポートする制度を打ち出しており、2020年マイナビがこの制度のPRをお手伝いさせていただきました。普段マイナビが携わっている採用広報とは異なる分野ですが、広報のターゲットは同じく大学生。蓄積してきた知見を活かし、学生支援という立ち場で広報プランをご提案しました。

 

ミッションは、
まずは制度の存在を
知ってもらうこと。
ソリューション

 

当時は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の最中。前の年まで広報設計の中心に据えていたリアルイベントは、開催が不安定な状況でした。そのため、広報コミュニケーションの方針も状況を踏まえて再検討。前年までは「熊本県で働く」ことを想起させる中で制度を伝えていくという、徐々に温度感をあげるコミュニケーション設計を行っていました。イベントの「会える」という利点を活かし、深く丁寧なコミュニケーションを目指したのです。しかし、時はコロナ禍。学生たちと会えるのか、会えないのか、全くわからない状況です。そのため、とにかく発見されることを重視。そして情報伝達のスピードにも気を配りました。何よりも、まず初めに制度の存在を学生に知ってもらう。そのことを主眼に置き、表示は「奨学金返還等をサポートします」というストレートなものにしました。

改めて、
オンライン広告が
もたらす効果を見直し。
実際の取り組み

コロナ禍の不安定な状況に左右されないよう、広報設計の中心は「オンライン広告」に据えました。具体的には、ブラウザのインフィード広告を中心に展開。実は、リスティング広告も候補にあがりましたが、今回の奨学金返還というテーマは学生だけでなくその親世代にも伝えたい情報です。リスティング広告のように個人のブラウザに複数回同じ情報を届けるよりも、幅広いユーザーを持つブラウザで、検索履歴から興味を持つ可能性のあるペルソナに訴求するインフィード広告こそがふさわしいという結論に至りました。配信設計も、前年度までのデータを分析し、綿密に行いました。「学生が多い」エリアというだけで配信するのではなく、「九州に所縁のある学生」に届くようエリアを厳選。そして、「短期間」「同時多発」で配信を設計。時間をかけて情報を細切れに発信するのではなくて、限られた期間で、必要な情報を、届けたいターゲットへ的確に届けることで、トレンド的に制度の存在を知ってもらうことを狙っていきました。アテンションとスピード感を重視したのです。インフィード広告で「気づき」を作った後には、「熊本県で働く」ことへの温度感を上げていく施策を連ねました。 コンセプトムービーでは、利用者の声を集めた動画を制作。熊本県で働く自分の将来を思い描く、きっかけづくりとなることを目指しました。 もちろん、マイナビの強みも活かし、イベントでの告知やマイナビ上の広告、紙DMも展開しました。

地方からの情報発信に
新しい手法。
得られた成果

コンセプトムービー

今回の戦略的なPRの結果、インフィード広告は前年度を大幅に超える4,300万PVを達成。オンライン広告による同時多発的なPRと、マイナビの媒体力を生かしたPRの組み合わせにより、ターゲットにしっかりと情報を届けることができました。熊本県庁様からも「登録者が前年から大幅に増えました」とお喜びの声をいただきました。マイナビとしても、地方からの情報発信においてオンライン広告の可能性が再確認できたプロジェクトとなりました。もちろん、一つひとつの制作物のクオリティにもご満足いただけたことは、マイナビとしての誇りです。動画に関しても担当者の方から「感動的でした」と喜んでいただくことができました。今回、コロナという状況の中でオンライン広告を駆使し、地方からの情報発信に新しい武器を増やすきっかけにもなりました。これからも学生とのコミュニケーション手法を磨き、採用だけでなく、多方面からの支援に力を尽くしていきます。

CLIENT
熊本県庁 熊本県 企画振興部 企画課
「ふるさとくまもと創造人材奨学金返還等サポート制度」

熊本県が制定する、若者の県内就職と定着、県内企業等の将来の中核を担う人材確保のための制度。県と県内企業(参加企業)が2分の1ずつを負担し、県内就職する若者の奨学金返還等を支援している。

Director's Comment

コロナ禍ということもあり、先が見えない不安もある中での提案でしたが、だからこそオンラインに注力した広告を戦略的に打ち出すことができたと思います。私たちの思い切った決断を受け入れてくださった、熊本県庁の皆様に感謝しております。私が制作に取り組む上で意識しているのは、本当にお客様のためになるソリューションを考えること。常に「今やっていることにどんな意味があるのか、どんな目的があるのか」を考えながら、本当に必要で効果的なプランニングを行いたいと考えています。そこに、マイナビの、私の、介在する価値があるのではないでしょうか。

Directed by


担当ディレクター
橋野 貴寛
熊本県出身。新聞記者を経て、2017年からマイナビの制作ディレクターに。前職の経験から、自ら執筆をすることもしばしば。死ぬまでには一冊本を書きあげたいと思っている。趣味は、読書とウィスキー。