島根県商工労働部 雇用政策課

若者のUIターン・県内就職率アップを目指す!

7割が県外の大学などへ進学。
就職でも島根に戻らない…。
背景

多くの都道府県が若者の地元離れに伴う労働人口の減少に悩む昨今。「神様が集まる県」として人気の島根県でも、そうした課題を抱えていました。島根の高校を卒業し、大学などへ進学した若者のうち7割以上が県外の大学や短大などを選んでおり、そのまま島根へ戻らない若者も多いのです。そんな現状に対して、島根県は外へ出ていった若者たちに再び島根へ帰ってきてもらおうと、県外進学者の県内就職率向上を目指していました。具体的には2024年に4年制大学生の31%の県内就職を目標に掲げています。

そうしたなかで、包括的なプロモーション活動のパートナーを務めることになったのがマイナビです。全国的に高い知名度を誇り、島根県内でも特に多くの学生が利用する就職媒体「マイナビ」を持つ強みと、多様な人材課題に対する豊富なノウハウ。これらを活かした提案で、島根の未来を変えていくプロジェクトがスタートしました。

押し付けはNG。
「気づき」を提案する
広報を。
ソリューション

まずはマイナビと島根県のご担当者とで方向性について協議しました。そこで浮かんだのは、学生に「気づき」を提示するというコンセプト。島根で働くことに魅力がある一方で、都会にはまた別の魅力がある事実も踏まえて、キャリアを選択しようとしている学生に寄り添う姿勢が重要だと考えました。

当初は郷愁を誘う方向の案も検討しましたが、学生視点を重視すると、前向きに明るく提案する方向を選択。島根の魅力をただ訴求して「帰ってきてほしい」というこちら側の思いを押し付けるのではなく、「島根に帰ってキャリアを築く道も考えてみませんか?」といった雰囲気で、選択肢を提示するプロモーションを提案しました。いわゆるパーパスブランディングに近い考え方で広報活動を展開することになったのです。

さまざまなツールを組み合わせたプロモーションのなかでも、中心となったのはマイナビと島根県のタイアップサイトです。キャッチコピーは「島根のホンネ」。島根にUターンした人のインタビューや座談会などのコンテンツを通して、彼らの「ホンネ」を届けることで学生の共感を呼び起こすことを目指しました。

学生に呼びかけるくらいのトーンを目指したキャンペーンサイト

 

ネガティブ要素も含めて
リアルを追求。
それが学生の共感を呼び起こす。
実際の取り組み

サイトのメインコンテンツであり、youtube広告にも展開したムービーは、学生のリアルな本音を発信するためにほぼ台本無しで撮影に臨みました。タイトルは「島根県に帰りたい理由、帰らない理由」。実際に島根出身で他県の大学に通う学生4名に集まってもらい、島根に帰りたい派と帰らない派で互いの意見を伝え合うなかでは、故郷に対する考えや人生の価値観が非常にリアルに語られています。帰らない派の意見として、都会と比較し就職先の選択肢の幅が狭まるなどを理由に地元を出ざるを得ない現実があるといったネガティブな要素も、包み隠すことなく話してもらいました。実は元々のタイトルは「島根県に帰りたい理由、帰りたくない理由」でしたが、学生の話を聞くと、帰りたくないのではなく帰らない選択をしなければならない時や事情もあるということがわかり、タイトルを変更した経緯もあります。

こうしたムービーやタイアップサイトのほかにも、マイナビの媒体を最大限に活用してライブ配信コンテンツや就職イベントへの出展など、さまざまな取り組みを行いました。

 
県外の大学に進学している4人にリアルな心境を語り合ってもらった。 ※外部サイトにリンクしています

たくさんの発見から、
施策を磨くヒントを得た。
得られた成果

リアルを追求した結果、県のご担当者にとっても新たな発見を得る機会になったと好評です。「学生はこんなことを感じているのか」といった気づきは、また次のプロモーションに活かしていく。こうして改善を繰り返しながら目標に向けた活動を地道に続けていくことで、根深い問題の解消を目指す考えです。ゴールまでの道のりを伴走するマイナビチームにとっても、長期的な試行錯誤を通じて地元の未来に貢献できる有意義なパートナーシップとなりました。

ちなみに、若者の地元離れはほかの多くの県でも課題となっていますが、その解決策は地域によって違うと考えています。県民性や県のご担当者の思いなどを詳しくヒアリングするなかから最適解を見つけ出すことが私たちのミッションです。

CLIENT
島根県商工労働部 雇用政策課

島根県内の産業・観光・雇用などの分野を推進する組織のなかで、県内の雇用対策を担う部署。商工労働部では産業の振興や企業立地の促進、中小企業の経営支援、観光の振興、県産品の販路拡大支援、雇用対策、職業能力開発などを担当している。

Director's Comment

私自身も大学進学時に地元を離れて、就職を機に地元へ戻ったUターン組なので、自身の経験や当時の思いを振り返りながら案件に取り組みました。 単年の取り組みや単独のツール制作ではなく、長期的にさまざまなソリューションを掛け合わせて課題解決に挑むことにやりがいを感じています。県全体の課題解決に貢献できる喜びと責任を感じながら、今後もゴールに向けてご担当者と共に走っていきたいです。

Directed by


担当ディレクター
宮本 瑞希
2020年中途入社。前職では人材派遣の営業を経験する。求職者と関わることが多かったこともあり、ディレクターとして新卒採用に携わりたいと思いマイナビに入社。以来、合同説明会やWEBセミナーを中心に、採用イベントの運営に携わってきた。クライアントの課題解決に貢献したいという思いが人一倍強い。