京葉瓦斯

課題を見つめ直し、大胆かつ繊細なコミュニケーションを。

業務が厳しいイメージの現場仕事に、
いかに若い人材の興味を喚起するか。
背景

全国のガス会社は一般的に、各エリアに拠点を持ち、そのエリアのライフラインを支える企業として業務を展開しています。ガス工事そのものは現地の協力会社が請け負っており、ガス会社が複数の協力会社と連携することで事業が成り立っています。今回の主人公である京葉瓦斯様が抱えていた課題は、京葉瓦斯本体の採用ではなく、協力会社様の採用に関するものでした。現場仕事が主な業務内容である各協力会社は、業務が厳しいのではないかという印象もあり、若手の人材不足が嘆かれていました。各エリアのガス会社も同様の課題があり、実は全国的に協力会社の採用をガス会社と共に強化していこうという動きがあります。大阪ガス様が立ち上げた「ゲンバの星」プロジェクトです。京葉瓦斯様も今回から参画することとなり、その採用広報ツールの制作についてマイナビにもご相談いただきました。

プライドある仕事人の魅力を
存分に伝えたい。
ソリューション

京葉瓦斯様なら、どういった見せ方が効果的であるのか、マイナビのディレクターとデザイナーの作戦会議が始まりました。そこで至った結論は現場仕事の厳しいイメージを逆手にとって、現場の仕事人のかっこいい部分を存分に引き出したプロダクトを作り上げること。いただいた与件では現場仕事のイメージが若手を遠ざける原因と考え、そこからの脱却を求めていました。しかし、完全に消し去るのは、入社後のミスマッチを招くことになります。むしろ、人々の暮らしを守るために汗水流しながら、日々の仕事と真剣に向き合う仕事人像に、若者の共感や憧れを引き出すことに専念したのです。メインコピーは“YOU ARE THE ONE”。この仕事に携わる一人ひとりが輝く星であるということ、ライフラインを守る仕事人たちこそが人々の星であることを、ストレートに伝えるコピーです。

インパクト重視のタブロイド紙と
サクサク読める採用サイト。
実際の取り組み

まるで写真集のような、インパクトのあるタブロイド紙に。

今回の採用ターゲットとなる若者は、高校や高専卒が中心。彼らと広報上でコミュニケーションをとるためには、彼らの就活を考える必要があります。彼らの中には自ら就職先を選択する学生ももちろんいますが、学校の先生がパンフレット片手に進路指導をするケースも多くあります。つまり、採用広報が先生の目に留まることも大切です。そこでマイナビは、パンフレットを定番のA4サイズではなく、思い切ってタブロイド紙サイズで発行することを提案。郵送も考慮して、折れば封筒にピッタリ収まるよう微細なサイズ調整も行いました。紙面では、現場で働く仕事人たちの熱い姿をコピーとともに1ページ1名で贅沢に紹介。そして、インタビューの詳細は採用サイトにのみ掲載することにしました。コピーと写真だけで若者の感情を揺さぶり、そこから実際の仕事を知っていくという導線を作っていったのです。採用サイトは、短文を繰り返し、スマホでもスムーズに読めるように工夫。若者たちへの興味喚起のため、細かな仕掛けをたくさん散りばめていきました。ちなみに、ご提案の際にはタブロイドの実物大をお持ちして、京葉瓦斯のみなさまにも学生が味わうインパクトを体感していただきました。

現役社員の
モチベーション向上という、
与件を超える効果も。
得られた成果

サイトでも、多くの写真を掲載。

そして、京葉瓦斯様とマイナビで「ゲンバの星」の広報ツール制作を進めることとなりました。現場仕事のイメージを逆手にとったかっこよさを追求するためには、リアルに肉薄し魅せていく必要があります。取材記事は、高校生にもわかりやすく、でも間違いがないように、調べ、質問し、知識を深めながら作成しました。ガスの配管についてどうしてもわからないことがあった時は、勉強会を開いてもらうことも。撮影では、カメラマンが泥だらけになるくらい現場に迫りました。大胆な採用広報コミュニケーションを成功させるために、クリエイティブの細部は繊細に作り上げていったのです。インクや紙質に最後までこだわったタブロイド紙は、インパクトの強い採用ツールとして完成。京葉瓦斯様からも、その出来にお喜びの声をいただきました。今回の採用広報ツールは、採用現場で活用いただいていることはもちろん、協力会社の現役社員のみなさまにも親しまれているようです。ご自身の仕事が表現されたことで、改めてその価値を感じていただけたのかもしれません。課題をしっかり見つめ直した上で、大胆な方針を、繊細なクリエイティブで表現することを目指した今回の採用広報コミュニケーション。もしかしたら、京葉瓦斯様と協力会社様の絆をさらに深めることの一助にもなったかもしれません。

 

CLIENT
京葉瓦斯株式会社

ガスの供給エリアは、千葉県市川市、松戸市、鎌ケ谷市、浦安市の全域、および船橋市、柏市、流山市、白井市、習志野市、我孫子市の一部区域。小さなエリアであるからこそ、地元との繋がりを大切にしながら、安心・安全、そして快適な暮らしを届けるための新しいサービスや事業展開を行なっている。

 

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Director's Comment

ここまで一致団結して制作を進められたプロジェクトは、個人的にもとても印象深いものになりました。猛暑の中、取材と撮影の時間を割いてくださった協力会社のみなさま、京葉瓦斯のみなさまにはとても感謝しています。私がディレクターとして心がけているのは「一般人としての目線」を常に持つこと。企業様にとって日々の仕事は当たり前のものであり、就活生が何を理解できないのか、何を知りたいのかが、見えなくなってしまうことは多くあります。それによるミスコミュニケーションを少しでもなくせるよう、できる限りヒアリングとリサーチを重ね、まずは自分自身の仕事理解をしっかりと実践していきたいと考えています。