マイナビ

【セルインタラクティブ×マイナビ】採用ブランディングは、企業の次のゴールになり、社員の背中を押す。

表面的なイメージの刷新ではなく、
企業の根幹と向き合った
ブランディングを。

背景

株式会社マイナビは、さまざまな企業の採用広報コミュニケーションのお手伝いを行い、掲載企業数No.1※の学生のための就職情報サイト「マイナビ2022」を運営する企業です。そのマイナビ本体の採用広報コミュニケーションはどのように進んでいるのでしょうか。2021年度新卒採用は、マッチングを重視した採用活動を実践するにあたり、これまで以上に深い企業理解、仕事理解を学生に促すことを狙いとしていたマイナビ。だからこそ、メッセージとなるメインコピーの決定には時間をかけて挑みました。今回は、その制作をご依頼したセルインタラクティブの田中様と、マイナビ ディレクターの下山にプロジェクトを振り返ってもらいました。
※主要就職情報サイト比較 調査委託先:株式会社オノフ(2021年3月1日)

これまでも、これからも、
必要とされる社員像とは。

ソリューション

マイナビ 下山(以下/下山):マイナビグループは、就職や転職などのHR領域、ニュースやウエディングといった生活情報など、多彩な事業を展開しています。特に新卒採用分野では存在感も大きくなり、だからこそ変化する社会と向き合いながら、自らも常に変化していく必要があると強く感じています。そのため、採用担当者からは「今まで出会えなかった人材ともマッチングを強めていきたい」という要望を聞いていました。しかしながら、まだ明確なゴールは見えていませんでした。そこで、セルインタラクティブ様に声をかけさせていただきました。どんな課題にもぴったり寄り添ってくださる丁寧なクリエイティブ・パートナーさんなので適任だと考えました。

セルインタラクティブ 田中(以下/田中):マイナビさん本体の採用に関わることができるのは初めてで、熱が入った記憶があります。振り返ってみると、時間がない中ではありましたが、じっくりマイナビさんとともに模索しながら進められたプロジェクトだったと思います。

下山:まずは多様な学生に向けてのアプローチを強化しました。それにあたり、カラフルで賑やかな印象を与える採用サイトのデザインをご提案いただいたんですよね。

田中:はい。多様な社員がそれぞれの目標ややりがいを持って働いていることを伝え、一人ひとりの学生が共感できる社員像を作ることができればと考えてのご提案でした。そのデザインイメージへの共感はいただいておりましたが、その芯になるメインコピーの決定は時間をかけて行いました。マイナビの採用担当の方とお話をする中で、これまでも、これからも必要とされるマイナビの社員らしさが、どんなところにあるのかを改めて考えることができました。

下山:かつての、いわゆる猪突猛進型で進む社員像ではなく、変化する社会で自分で考え、自分で行動することがマイナビ社員に求められているのでないか、と認識のすり合わせを行うことができましたよね。もちろんその上で、ハードに走り続ける仕事であるのは事実。でも、共感してほしいことは仕事の表層ではなく、根本にあるマイナビスピリッツだとわかったのです。

田中:その思いを立体的にアウトプットしてもらうために、コピーライターとしてご依頼したのは映画の脚本なども手がける方。採用担当の方とはもちろん、現場の営業の方々とも何度も話し合いを重ねました。マイナビ社員たちの想いを抽出するような作業でした。そして、生まれた採用メインコピーは「自分革新。」。就活生だけでなく、社員たちにも響く採用コミュニケーションをつくっていきたいと感じました。

採用サイトのメインビジュアル

ドキュメンタリーブックで、
マイナビスピリッツを伝える。

実際の取り組み

仕事の泥臭い側面も盛り込まれた、厚みのある内容。働き始めてからも、手にとって読み返せることも狙いとしている。

 

下山:実はメインコピーを検討していく過程で、並んだ複数のコピーを見て「これ、本の見出しになるんじゃない?」という話が社内でありました。採用サイトのリニューアル方針も決まり一段落したタイミングで、採用担当の部長が「下山君、やっぱり本出そうよ」と(笑)。「マイナビリクルーティング ドキュメンタリーブック」という冊子を作成することに決まりました。二次面接に進んだ学生や内定者に、マイナビスピリッツを今一度理解してもらうため作りました。入社後に社員が読み返しても読み応えがある、バイブル的な立ち位置を目指した一冊です。

田中:内容としてはマイナビ社員の仕事のエピソード集。営業職の社員さんを中心に取材し、仕事でつまづいた時のことや社会人になってから成長(革新)したエピソードなどを掲載しています。

下山:採用サイトのビジュアルがカラフルで賑やかだった一方で、ドキュメンタリーブックは、シンプルでまっすぐな印象を残し、仕事の大変さ、泥臭さを、リアルに色濃く伝えていきました。サイトの刷新だけでは伝えきれない、マイナビに根ざす強い精神がいまも変わらず存在していることをメッセージとして押し出したかったのです。

田中:ドキュメンタリーブックがあることで、サイトのビジュアル的な印象に加えて、それを支える基盤のようなものが加わり、採用コミュニケーション全体に力強さ、奥深さが出たように感じます。

下山:採用サイトには、社員紹介の代わりに「自分刷新。」をテーマにした動画を掲載しました。リアルさを伝えるため、社員が自撮りして「仕事へのこだわり」「悔しい経験」などを動画で語るコンテンツです。

田中:最終的には何十個もの動画が掲載されるわけですから、システム的にもチャレンジングな企画でしたね(笑)。入社年や部署だけでなく、学生が知りたい内容をすぐにキャッチできるよう、タグをうまく活用しながら見せることができました。

 

採用ブランディングは、
働く社員たちの
ゴールにもなる。

得られる成果

(左:ディレクター下山 右:セルインタラクティブ田中様 )

下山:先ほどお話したように、今回の採用広報コミュニケーションは就活生だけでなく、マイナビ社員へのメッセージにもなることを目指していました。改めて自分たちの根幹、そしてこれから目指すべきゴールを見つめ直すきっかけになればと。

 

田中: 企業のインナーブランディングと採用ブランディングは、親和性のあるものですね。今回の案件はマイナビさんでしたが、最初から課題が整理されているわけではありませんでした。だからこそ、一緒に整理しながら、一緒に揺れ動きながら、ゴールを決められました。そして、採用ブランディングにもインナーブランディングにも通用する軸のようなものを見つけることができたのだと思います。

下山:マイナビは、社会の動きに呼応して、企業としてはもちろん、採用でも新しいステージを見つけていかなければならないタイミングでした。なかなか、新しい旗印を決めるのは難しい状況だったと思うのですが、田中さんがそんなマイナビに寄り添い伴走してくださったおかげで、新しいステージを見つけられたと思います。

田中:そう言っていただけてうれしいです。マイナビを内側から見つめる下山さんと、外側から見つめるセルインタラクティブとの共創で、よいプロダクトが生まれたように感じます。

下山:ドキュメンタリーブックも、学生から、そして社員からも好評です。いろんなものがオンラインにシフトしている昨今ですが、冊子という、いつでも手元に置いておけるツールにも可能性はまだ残っています。このドキュメンタリーブックの経験を糧にして、他の企業様に対しても、インナーブランディングや社会人と就活生へのエールになるような新しいツール作りをご提案していきたいですね。

PARTNER
株式会社セルインタラクティブ

2019年設立の新進気鋭のデジタルクリエイティブ集団。ウェブサイト制作や映像制作をはじめとする、デジタルコンテンツ事業からデジタルマーケティング事業まで、幅広く展開。横浜・福岡に拠点をおき、スモールチームでありながら、全国規模で良質なサービスを提供している。

田中 茂裕
株式会社セルインタラクティブ代表取締役。多種多様な業種のWebサイト・映像制作・マーケティングなど、デジタル戦略の横断的な支援を強みとしている。当プロジェクトではクリエイティブディレクションを担当し、マイナビとタッグを組みながら、プロジェクト達成のためのディレクションとチームマネジメントを実施した。

 

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Director's Comment

今回は、とにかく制作チームと企業とが対話を重ねることで最後まで完走することができたプロジェクトだと思います。プロジェクトを通して、私自身も社員としてマイナビという企業を再確認することができたように感じます。実は当時、私はマイナビに入社して数ヶ月目の新人だったのです。企業やディレクターに伴走してくださる田中さまのおかげで、本音をぶつけ合い、楽しみながらプロジェクトに取り組むことができました。本当にありがとうございました。

Directed by


担当ディレクター
下山 将李
2020年マイナビ入社。前職は、国民的アニメを手がけるアニメーション制作会社に5年間勤務。プロジェクトマネージャーとして、スケジュール管理、マネジメントなどを行い、毎週の放送に向けてプロジェクトを調整する役割を担った。現場をリードしながらも、お客様との対話により制作を進める仕事に興味を持ち、マイナビへ転職。