就職活動のオンライン化で、
届ききらないものがあった。
背景
化粧品、掃除用品、衛生用品など、私たちの暮らしに必要不可欠な商品を手がける花王。それらの商品を、必要としている消費者の元へ届ける役割を担っているのが花王グループカスタマーマーケティング株式会社(以下:KCMK)です。マイナビも長年採用のお手伝いをさせていただいており、毎年、採用サイト閲覧に関する数字データ等を参照しながら、次の取り組みを検討しています。2020年、前年を振り返って見えたものは、母集団形成に大きな問題はないが、メーカーを第一志望とする学生を振り向かせるきっかけを持てないでいるという状況でした。この課題に対し、事業内容の特徴はもちろん、KCMK様という企業の魅力を考えたとき、社員の人柄や人間関係の良さも学生へアピールしたいとマイナビは考えました。社風や会社の雰囲気をしっかり伝えることで、大手メーカーの営業職とで迷う学生の心を掴むことができるはずです。しかしながら、コロナ禍によってオンライン化された就職活動の中で、どのように社風を伝え、学生との距離を縮められるのか。その難題を乗り越えるためにKCMK様と試行錯誤した結果、ありそうでなかった、新しいソリューションにたどり着くことができたのです。
「いま」を飾らずに
伝える。
ソリューション
オンラインでの会議が当たり前となっていた当時。その日も学生にどのように社風を伝えるか、KCMK様とオンライン上でディスカッションをしていました。その際、担当者様から印象深い一言がありました。「いまのリアルタイムの姿を、そのまま伝えたいですね」。当時は緊急事態宣言下。毎日出社してスーツで取引先を飛び回っているという、学生が思い描く働くイメージと、実際は大きく異なっていました。この状況をそのまま伝える。担当者様の言葉にヒントを得て、KCMK様とマイナビが出した結論は、オンライン会議そのままの「オンライン座談会ムービー」。KCMK様らしく飾らずにシンプルに、「いま」を伝えるコンテンツを目指したのです。
工夫を凝らした編集で、
飽きずに楽しめる
動画コンテンツに。
実際の取り組み
座談会のテーマとしては「採用チーム座談会」と「若手社員座談会」の二種類を企画。座談会そのものの撮影も、オンライン会議システムを使って実施しました。あらかじめ台本を用意し、出演社員との打ち合わせやリハーサルを行った上で、リモートでの本番に当たりました。収録中にも、画面や発話に違和感があればその場でカット。どうしたらうまくできるかを考えながらやってみるを繰り返し、参加者全員がクオリティにこだわりを持って進めていきました。リモート収録ならではの壁は、発話者が重なるとどちらかの音声が消えてしまい、掛け合いがうまく作れないということ。そんな時には、拍手をしてもらったり、相槌をオーバーにしてもらったりと、にぎやかな雰囲気が視覚的にも伝わるよう工夫していきました。KCMK様や制作会社とイメージのすり合わせをじっくり行い、テレビ番組のように楽しく、飽きることなく企業理解を深められる座談会動画を目指していきました。
採用広報ツールに、
新しい選択肢が生まれた。
得られる成果
編集においても、元は四角い画面が並ぶだけの画面を丸く切り取り、発話のたびに拡大したり、賑やかなリアクションを追加したりと、KCMK様が持つ穏やかで親しみやすい雰囲気が伝わるよう工夫して仕上げていきました。実際の就職活動でも「動画見ました」「座談会面白かったです」というコメントがあったとのこと。新しい取り組みに挑戦するKCMK様の社風を具現化し、さらには他社との差別化にもつなげることができた取り組みになりました。実は、今回の動画はマイナビ社内でも大きな話題に。採用活動の多くがリモートに切り替わり、「社風」を伝えるにはどうしたらいいのか、企業様にどのような手法をご提案したらよいのか、マイナビの社員たちも頭を抱えていたのです。新しい時代に登場した、新しい採用広報手法。限られた中でできることを考え、手探りながらも挑戦を止めずこだわるという姿勢を、マイナビと制作会社、そしてKCMK様が持ち続けたからこそ生まれたソリューションでした。
実際に配信された動画「vol.1 採用チームWEB座談会」
「vol.2 若手社員WEB座談会」 はこちら
※外部サイトにリンクしています
“よきモノづくり”を通じて「人々の豊かな生活文化の実現に貢献」することを使命とする花王グループの中でも「販売」のプロセスを担うプロフェッショナル集団。全国の小売店(スーパーマーケット、ドラッグストアなど)との協働のもと、花王商品の販促戦略を立てたり、現場の要望を花王本体へ提言するなど、消費者と花王をつなぐためのさまざまな業務を展開している。
リモートでの座談会の収録は、これまでにない取り組みであり、なかなか完成形のイメージが湧きづらいものでしたが、KCMK様とも動画制作会社様とも意思疎通し合い制作を進めることができました。座談会に出演してくださった社員の皆さんは、真剣かつこだわりを持って収録に挑んでくださり、とても感謝しています。私が日々のクライアントワークで心がけていることは、クイックレスポンスをすること。それによって、どんな相談や要望もぶつけやすいディレクターになることを目指しています。先の見えない世の中ではありますが、密なコミュニケーションで、少しでも企業の皆様の不安を解消できるようになればと考えています。(KCMK様 担当ディレクター)